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思い出リレー vol.11

「ボクが中央高校に入ったワケ(中)」
2004年度卒業 単位制 男性 15歳(入学時)

 
病名が告げられた日、それがどんなに深刻な状況なのか、ボクには理解できなかった。ただ、両親が人前で泣いているのを見て、ボクも泣いた。
 
 少年野球団の卒団式。ありがちな夢だけれど、ボクは「プロ野球選手になる」と言った。それ以外にも、やりたいことや目標はたくさんあった。
 
ひとつ。またひとつ。出来たことが出来なくなって、やりたいことがやれなくなった。認めたくない現実が次々と押し寄せる。だけど、不思議と自分が死ぬ気はしなかった。こんなつらいことはずっと続かない。きっと良くなる。すぐに学校に戻れる。だから今は戦っていこう、ボクはそう決めた。でも、振り返ると自分が自分でいられない気がした。
 
 あの日からどれくらいたっただろうか。ボクはどうやら中学3年生になったらしい。そろそろ進路を考えないといけないそうだ。ただ、学校側は留年を勧めてきた。まだ答えは出していない。
 
 ついに退院できる事になった。3学期からは学校にも通えるそうだ。とても元通りの元気な体とは言えないけれど、ようやくボクは帰ってきたんだ。みんなが待つこの場所へ。
 
 
 ただいま。
 
 帰ってきたその場所にボクの居場所はなかった。
 
 ボクはここだよ。ボクを見てくれ。
 君の心にボクはもういないのかい?誰の心にもボクはもういないのかい?
 止まってしまった時計はもう、同じ時間を指すことはないのかい?
 
 そうか、あの時ボクは死んだのか。
 
 だったらボクは遠くへ行こう。君のいないところへ。誰もいないところへ。
 

 
 考えてみれば分かる。ボクの時間は1年生のあの時のままだ。ボクの心もあの時のままだ。みんなとはもう、立っているこの場所が違うのか。ボクはもう「友達だった誰か」なんだ。
 
 取り残された気がして怖くなった。人が怖くなって、自分が認められない世界が怖くなった。気を遣われたり、「可哀想に」そんな言葉がどんな検査の苦痛よりもずっとずっとつらかった。
 
 毎日毎日、3年分を一生懸命勉強して、ボクは進学する事を決めた。前に先生が教えてくれた単位制の学校だ。
 
 必死に自分を騙して、ボクは前に進んでいるフリをした。
 
(思い出リレー vol.12につづく)
  1. 2011/10/09(日) |
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